夢想薄荷

 日がなピアノを弾いて暮らすのも悪くないなと、今更思う。 フリスクで満ちた吐息が白く淡く、この携帯の液晶画面の光を溶かす。 ディフュージョン1。 思考が朧気なのは熱を奪う夜気のせいか、はたまた。 主を失ったままのピアノはきっとまともな音ではないな。 日曜日、気まぐれを起こしそうな主そっくりの。 メンデルスゾーンの楽譜、まだあるだろか?
 午前三時四十四分、悴む心で徒歩帰宅中。