ひとたびの別れ、然れど共に在らん

 今朝7:30、心臓の事など忘れすぐさま起床、すでに事切れていたわたの体をそっと撫でてから、まだ寝室で横になっていたとろに報告。 軽い朝食の後、リトと同じくわたも大好きであったバスタオルを入れたキャリーケースにわたを寝かせて、ケージの掃除と未使用のペレット・使いかけ及び未使用の牧草・床材の処分、そしてケージ・キャリーケース・床材掃除用のシャベル以外のモルモット用品をダンボールに纏め梱包、それらをとろにやってもらって、埋葬しに家を出た。 いつも例えゴミ出しのような短い距離・時間であっても一言「ちょっと行ってくるね」とわたに声を掛けるのが習慣になっていた為、何もなくなった場所に思わず声を掛けようとしてやりきれなくなった。 これは暫くは仕方ないだろう。
 ダンボールは、近所のコンビニで自分の実家宛てで宅配手続きを取った。 埋葬の後、事後報告ではあったが了承してもらった。 色々落ち着いた頃に片付けに行こうと思う。
 埋葬はリトと同じ場所にする事にした。 久々に訪れた其処は、相も変わらず木々が繁り、ひんやりとした静かな場所で、少しほっとした。 リトを埋めた場所で手を合わせ、その左隣の木の根元にわたを埋めた。 直前まで食欲があったわたを思い、使いかけのペレット3種も一緒に埋めた。 土を掛けた時、流石に色々込み上げてきて涙で最後に撫でてやって別れを告げたのだけど、いつまでも変わらず家族だと堅く思っているのに何故、それでも物質的な別れは悲愁を誘うのだろう。 帰りの車中、とろと二人で「夏に寿命だと言われたのに年を越せたんだから、充分長生きできたんだから」と、安らかな眠りを静かに、穏やかに祈った。 鼻水いっぱい出たけど。
 人見知りするようにショップのケージの隅にいた、白毛が綿のようにふわふわとした小さな小さなモルモット。 小学男子のようなリトの好意にすっかりひねくれ者に育ってしまったけど、リトがいなくなってわたも酷く落ち込んで、でもそれからは少しずつ、感情を出してくれるようになってくれた。 何度も病院のお世話になって、その度に駄目かと思わされて、でも昨日までほんとよく頑張って……。 看取ってやれなかった悔いは残るけど、どうか穏やかで安らかな眠りをぷっぷ*1に。
 今日という日はとてもよく晴れて、車の中は出会った頃の、まるで5月のような暖かな日差しだった。 帰宅してやっぱり何もなくなった場所にただいまを言い掛けてはっとしたけれど、不思議と穏やかな心でこれを書いている。

*1:わたの呼び名