野良猫センチメンタル

 私には馴染みの野良猫が二匹いてその内の一匹に昨年金魚二尾を食べられたのだが、その他にもこの界隈ではよく野良猫を見掛ける。 ついつい彼らと交流を図ってしまう私だがちょっと苦手としている奴もいる。 左後ろ足の地面に接する部分が無い大柄の虎猫だ。 まぁ苦手な理由は一方的で実に勝手なので彼に対しとても申し訳ないのだけれど

  • 常に鳴いてて夜中目が覚めたりとかして半ば強迫神経症に陥ってる
  • 鼻が悪いのか鳴いてない時も常にブーブーと音を出してるのが気になる
  • 一度知らぬ間に部屋に入ってきた事がありその時部屋が臭くなった

の3点がそれだ。 前述の馴染みの猫達も虎猫の気配を感じると途端に強張り交流のひとときが台無しになってしまう、猫の間でも鼻つまみ者なんだろう。 ただ足については不便だろうし同情の念はあるので鳴き続けない限りそっとしといてやってるのだが、今朝は数回嘔吐してる音が聞こえたので思わず見守ってしまった。 足に問題がある割には体格がいいし、食餌の調達はどうにかしてるのだろう。 にしたってあんなに何回も近場で吐かれたら気を揉んでしまうってもんだ。 体液しか戻してないみたいだったし。 目が合ったけど普段鳴く度「うるさい黙れ」と一喝するせいか少し離れた日向にうずくまった。
 と、暫くののち鳴き出したので何かと辺りを見回したら、金魚を食べた猫が向かいの低いブロック塀の上を歩いてやってきてた。 普段から他の猫を見つけたり居そうな場所を通る時はしつこい程に鳴く此奴、虎猫は鳴きながら段階を踏んで歩み寄ったが金魚食いは更に高い段差の向こうへと去っていった。 やっぱ嫌われてんのかなぁと眺めていたんだが虎猫はその段差の前まで行くと去りし者のにおいを嗅いだ後、尚も鳴きながら必死に*1後を追いかけていった。 ちょっといじらしく思えた。

*1:こちらからはそう見て取れる